現代社会を考える!


目次


第1編 私たちの生きる社会
@地球環境問題
A資源・エネルギー問題
B科学技術の発達と生命倫理
C高度情報社会と私たちの生活
第2編 現代社会と人間としてのあり方生き方
 第1章 現代に生きる青年
@青年期の意義と自己形成の課題
A現代社会における青年の生き方
B伝統や文化と私たちの生活
 第2章 個人の尊重と法の支配
@民主政治における個人と国家
A基本的人権と法の支配
B世界のおもな政治体制
 第3章 現代の民主政治と政治参加の意義
@日本国憲法の基本原理
A平和主義と安全保障
B基本的人権の保障と新しい人権
C国民主権と議会制民主主義
D内閣と行政の民主化
E裁判所と人権保障
F地方自治と住民の福祉
G世論形成と政治参加
 第4章 国際政治の動向と日本の役割
@国家主権と国際法
A国際連合の役割
B今日の国際社会
C核兵器の廃絶と国際平和
D地域紛争と人種・民族問題
E国境と領土問題
F外交政策と日本の役割
 第5章 現代の経済社会と私たちの生活
@経済社会と経済体制
A経済主体と企業の活動
B市場経済のしくみ
C経済成長と景気変動
D政府の経済的役割と租税の意義
E金融機関のはたらき
F戦後の日本経済の動き
G産業構造の変化
H雇用と労働問題
I公害の防止と環境保全
J消費者保護と契約
K社会保障と国民福祉
 第6章 国際経済の動向と日本の役割
@国際経済のしくみと貿易の拡大
A進む経済統合
B国際経済の動向
C発展途上国の経済と南北問題
D国際協調と日本の役割
 第7章 現代に生きる倫理
@豊かな人生を求めて
A日本の伝統的なものの考え方
B近代の西洋思想
C現代に生きる人間の倫理
第3編 ともに生きる社会をめざして
ケーススタディ@ 税と社会
ケーススタディA 東日本大震災後のエネルギー問題をめぐって
ケーススタディB 人口問題と私たちの未来
質問があれば、こちらを見てください。

■学習項目■

<第1編 私たちの生きる社会
1.地球環境問題
[かけがえのない地球]
 自然浄化力の方が、
 「かけがえのない地球」→生活の舞台

[さまざまな環境問題]
 地球環境問題 地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯林の減少、野生生物の減少、砂漠化、海洋汚染など

[地球温暖化]
 温室効果→地球温暖化 
 温室効果ガス 二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロンなど
 →異常気象の原因 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)
 
[酸性雨]
 酸性雨→森林枯死、魚類の死滅、歴史的な建造物の腐食・劣化被害
 
[オゾン層の破壊]
 フロンガス オゾン層の破壊 オゾン・ホール →紫外線、皮膚がん、白内障
 ウィーン条約 
 モントリオール議定書

[森林の破壊と野生生物の種の減少]
 遺伝資源の宝庫
 ワシントン条約
 生物多様性条約 国連環境開発会議(地球サミット) COP10 名古屋議定書 愛知ターゲット
 

[進行する砂漠化]
 土壌の塩性化 → 農業困難 
 砂漠化防止条約

[海洋汚染]
 国連海洋法条約 1982年

[環境問題への国際的な取り組み]
 人間環境会議 「かけがえのない地球(Only One earth)」スローガン →人間環境宣言
 国連環境開発会議(地球サミット) → 「持続可能な開発」 アジェンダ21 気候変動枠組み条約
 ヨハネスブルクで、世界首脳会議(環境・開発サミット)
 リオでは、リオ+20
 UNEP(国連環境計画) 
 バーゼル条約
 
[地球温暖化の防止に向けた取り組み]
 COP3 地球温暖化防止京都会議 京都メカニズム=排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム
 炭素税の導入
 地球温暖化対策税
 
[将来世代に受け渡したい環境]
 ラムサール条約 世界遺産条約
 ナショナル・トラスト運動   (合併・買収)
 生態系(エコシステム)の一員
 環境倫理
 


2.資源・エネルギー問題

[限りある資源]
 エネルギー資源(石炭・石油などの動力や熱源)
 可採年数(=確認埋蔵量÷年生産量)
 レアメタル(鉄鉱石などと同様、枯渇性資源)

[エネルギー利用の変化と石油の需給]
 エネルギー革命
 メジャー(国際石油資本)の支配から、産油国に資源ナショナリズムの高まり
 1960年OPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries石油輸出国機構)
 1968年OAPEC(Organization of Arab Petroleum Exporting Countriesアラブ石油輸出国機構 )→油田の国有化
 石油危機(オイル・ショック)→ 省エネ、代替エネの開発へ

[原子力発電とその課題]
 一次エネルギー(石炭・石油、水力など、自然界から直接得られる)
 二次エネルギー(電気など、光・熱・動力に利用)
 原子力発電
 核燃料サイクル 使用済み燃料からプルトニウムを回収し、高速増殖炉で使用
 プルサーマル計画 回収プルトニウムとウランを混ぜ、軽水炉で再利用
 1995年高速増殖炉「もんじゅ」での火災事故
 1999年東海村の核燃料加工工場で臨界事故
 2011年東日本大震災→福島第一原子力発電所事故 ・・・放射性廃棄物の管理・処分の問題

[期待される新エネルギー]
 新エネルギー(太陽光・太陽熱・風力・地熱など=再生可能&環境にやさしい)
 1997年 新エネルギー法制定 ・・・再生可能自然エネルギー+リサイクル型エネルギー
      +バイオマス・エネルギー、燃料電池など
 2011年 再生可能エネルギー特別措置法 成立 → 電力会社が買い取る義務
 2012年 固定価格買取制度 開始 → 国民が電気使用量に応じて負担する
 コージェネレーション(熱電併給)システム
 ハイブリッドカー、電気自動車・燃料電池車などのエコカー(低公害車)の開発・生産
 スマートグリッド(電力の需要と供給を常時最適化するしくみ)

[循環型社会に向けて]
 循環型社会形成推進基本法→3R(Reduce,Reuse,Recycle)
  廃棄物処理法、資源有効利用促進法
  容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、グリーン購入法、食品リサイクル法、
  建設資材リサイクル法、自動車リサイクル法、小型家電リサイクル法

File2 資源の安定的確保に向けて
[レアメタルと資源外交]
 レアメタル:コバルト、クロム、タングステン、モリブデン、ゲルマニウムなど30種以上
 特定の数カ国に偏材し入手困難→リサイクル促進
 レアアース 中国から輸入するが、中国との間に尖閣諸島問題があり、代替素材の開発が必要

[シェールガス開発と世界のエネルギー事情]
 頁岩層からの採掘技術の開発で生産コストが低下 → 天然ガスの市場に変化
 日本近海にあるメタンハイドレートの開発は、シェールガスの価格下落とともに重要


3.科学技術の発達と生命倫理
[科学技術と生命操作]
 生命科学(ライフサイエンス)、生命工学(バイオテクノロジー)→クローン技術
 ヒトクローン技術規制法
 ヒトゲノム 塩基配列を解読 → ヒトゲノム情報を利用した医薬品開発
 遺伝子組換え食品 表示義務
 生殖革命(人工授精や体外受精)〜再生医療へ
 出生前診断、着床前診断、遺伝子診断 などの実施
 生命倫理(バイオエシックス) → 法的、倫理的、社会的、経済的、宗教的見地から考えるべき

[臓器移植と再生医療の是非]
 脳死 (心臓は動かせるので、心臓移植が可能)
 1997年の臓器移植法 = 臓器移植の場合のみ脳死は人の死
 課題: 脳死判定、ドナー、レシピエントのプライバシー、患者の選択の公平性
 生体間移植= 人体の商品化
 再生医療: ES細胞(胚性幹細胞)を培養して組織や臓器をつくる → 拒絶懸念や倫理的問題も
     iPS細胞(人工他能性幹細胞:万能細胞)をつくる研究が注目

File3 再生医療の未来
●再生医療とは
 患者の組織などから幹細胞(万能細胞)を培養する技術で組織や臓器再生をめざす
●再生医療の現状と方向性
 体性幹細胞=骨髄幹細胞や神経幹細胞など骨髄液や神経細胞をつくる幹となる細胞
 期待はあるものの、技術が人間の尊厳と安全をふみにじるものにならぬよう注意が必要

[尊厳死と安楽死]
 尊厳死 リビング・ウィル(自分にとって望ましい死のあり方を文書などで生前に意思表明すると)
 → 過剰な延命治療の拒否
 安楽死(激しい痛みに苦しむ末期患者を苦痛から救うため人為的に死期を早めさせること)
 → 自殺幇助など犯罪行為、宗教、倫理、法律的な観点からの議論がある
 → 葛藤(死を自分の手に取り戻す立場/生命維持を最重視する立場)

[自己決定権と医療]
 自己決定権・・・自分の死をめぐる問題は自分で解決したいという強い願望
 生命の尊厳(SOL:Sanctity of Life)・・・生命維持は医師の任務という考え
  インフォームド・コンセント(専門的立場からの説明と患者自身の同意に基づき治療する)
 → 患者も医療について自分なりに見識を深める努力が求められる

[生命倫理と新しい死生観]
 人生をのばすだけでなく、終末への人生をいかに豊かなものにするかという課題
 → 科学技術で生命が安易に操作・管理される不安 → 人生の質(QOL:Quality of Life) 
	



4.高度情報社会と私達の生活
[高度情報社会の発展]
 時間や距離に制約されず、大量の情報をやりとり、利用できる社会
 マス・メディア:マスコミから、IT(情報技術)革命で、マルチメディア化の進展
 2000年 IT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)制定
 ユビキタス社会(法律の下でいつでも、どこでも、誰でも情報にアクセス利用できる社会)
 
[高度情報社会における利便性]
 情報が経済、文化を動かす大きな力
 電子商取引(eコマース)やPOSシステム → 脱工業化社会
 ブログ、SNS,動画サイトへの投稿などで、企業や政治を動かす原動力になる
 クラスド・コンピューティング、ビッグデータの活用で企業の生産や災害防止・減災に役立てる

[高度情報社会における諸課題]
 1.ネットワーク障害 → 生活への支障
 2.SNSの書き込みをめぐるトラブル → 名誉棄損罪、侮辱罪、脅迫。削除困難。
 3.個人情報の流失 → ウイルス感染でクレジット・カード番号やパスワードの不正取得
  1999年 不正アクセス禁止法 制定
  2011年刑法改正 → コンピュータ・ウィルスの作成や提供についての罰則
 4.知的財産権(知的所有権)の侵害の問題 → 他人の文書や写真のコピー 著作権侵害
 5.情報格差の問題 デジタル・デバイド:就職の気かい収入に差が生じる心配

[高度情報社会への対応]
 情報操作 → 情報発信者の意図を考慮して受け取る
 @複数の情報源にあたる
 A報道されなかった部分に大切な情報がないか考える
 B対立する意見は両方の情報をあわせて検討する
 ↓
 メディア・リテラシー(情報を主体的に選択・評価)が求められている

第2編 現代
社会と人間としてのあり方生き方
第1章 現代に生きる青年
▽青年期とは、人生のなかでどのような意味をもっているのだろうか
▽青年期の心理には、どのような特徴があるのだろうか
▽おとなとして自立するためには、今、何をしたらよいのだろうか

1.青年期の意義と自己形成の課題
[青年期とは]
[青年期の発達課題]
[自我のめざめ]
[悩みと相談]
[欲求と防衛機制]
[個性の形成]


2.現代社会における青年の生き方
[職業生活の意義]

[社会への参画]

[学び続けることと生きがい]



3.伝統や文化と私達の生活
[祭りと年中行事]

[世代をこえた伝統や文化とのかかわり]

[異文化との共生]

[File4 風土と文化]


第2章 個人の尊重と法の支配
1.民主政治における個人と国家
[私たちと政治]

[政治と国家]
 国家の三要素
 夜警国家、福祉国家、大衆民主主義
 
[近代国家の思想]
 王権神授説
 ホッブズ、ロック、ルソー


2.基本的人権と法の支配
[国家と法]
 自然法、実定法、制定法、国際法、国内法、

<私たちの生活と法>

[法の支配]

[国民主権と権力分立]

[基本的人権の考え方]

[人権の国際化]


3.世界のおもな政治体制
[おもな政治体制]

[議院内閣制]

[大統領制]

[そのほかの政治体制]

[真の民主政治を求めて]

[]



第3章 現代の民主政治と政治参加の意義
1.日本国憲法の基本原理
[明治憲法下の政治]

[日本国憲法の成立]

[日本国憲法の基本原理]
 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義

[憲法の最高法規性]
 硬性憲法のしくみ、憲法改正の限界
 

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2.平和主義と安全保障
[平和主義の理念]

[戦争の放棄]

[自衛隊の創設]

[自衛隊と憲法第9条]

[日米安全保障条約]

[日本の防衛政策]

[冷戦終結と安全保障体制の変容]

[有事への対応]

[世界平和のために]



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[]

[]


3.基本的人権の保障と新しい人権
[人権の保障]



[自由権]
精神的自由

人身の自由

経済的自由


[社会権]

[参政権]

[基本的人権を確保するための権利]

[法の下の平等]

[新しい人権]
知る権利
プライバシーの権利
自己決定権


[基本的人権と公共の福祉]

[]


4.国民主権と議会制民主主義
[国民主権と議会制民主主義]

[国会の地位と構成]

[国会の運営と権限]

[衆議院の優越]

[国会の課題と改革]

[]


5.内閣と行政の民主化
[内閣と議院内閣制]

[内閣の構成と権限]

[行政機能の拡大と民主化]

[行政改革]

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[]



6.裁判所と人権保障

[司法権の独立]

[国民の権利と裁判]

[検察機構]

[再審制度]

[憲法の番人]

[司法制度改革]

<民事裁判>

<刑事裁判と裁判員制度>

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[]


7.地方自治と住民の福祉
[民主主義の学校]

[地方自治の組織と運営]

[地方分権の推進]

[地方財政の危機と地方行政の課題]



[]


8.世論形成と政治参加
[政党の役割]

[圧力団体]

[日本の政党政治]

[戦後日本の政党政治の変遷]

[さまざまな選挙制度]

[日本の選挙制度の現状と課題]

 重複立候補制
 
[世論と現代の政治]

[]



第4章 国際政治の動向と日本の役割
1.国家主権と国際法
[国際社会の成立と特徴]

[国際法の意義]

[国際裁判制度]

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[]


2.国際連合の役割
[勢力均衡と集団安全保障]

[国際連盟の限界と国際連合の設立]

[国際連合の目的と役割]

[国際連合の課題]
 安全保障
 安全保障理事会改革
 
[国際平和の構築に向けて]

[]


3.今日の国際社会
[第二次世界大戦後の国際社会]

[第三世界の台頭]

[緊張緩和と多様化]

[冷戦の終結]

[冷戦終結後の国際社会]

[アメリカ同時多発テロ事件後の国際社会]

アラブの春



4.核兵器の廃絶と国際平和
[核兵器の開発競争]

[核管理から核軍縮へ]

[核拡散の脅威]

[核兵器のない世界に向けて]

[]


5.地域紛争と人権・民族問題
[さまざまな人種と民族]

[消えぬ戦火]

[難民問題]




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[]


6.国境と領土問題
[国境]

[国境と領土をめぐる問題]

<File 9 北方領土問題>

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[]


7.外交政策と日本の役割
[日本の外交政策]

[アジアの一員として]

[日本の役割と一人ひとりの課題]

[]

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第5章 現代の経済社会と私達の生活
1.経済社会と経済体制
[経済と何か]

[資本主義経済の特質と変容]

[社会主義経済の特質と変容]

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[]

[]


2.経済主体と企業の活動
[三つの経済主体]

[企業の役割と社会的責任]

[株式会社のしくみと活動]

[多国籍企業の活動]



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[]


3.市場経済のしくみ
[市場のしくみ]



[競争と独占・寡占]

[市場の失敗]

[市場における政府の役割]

[]


4.経済成長と景気変動
[ストックとフロー]

[景気変動]

[物価とインフレ・デフレ]

[経済成長と国民福祉]

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[]


5.政府の経済的役割と租税の意義
[財政のしくみ]

[財政政策の機能]

[租税の意義と課題]

[公債と財政赤字]



[]

[]


6.金融機関のはたらき
[資金の流れ]

[金融市場のしくみと金融機関のはたらき]

 信用創造
 
[日本銀行の役割]

[日本銀行の金融政策]

[金融の自由化]

[バブル経済の崩壊と金融政策]

[従来の金融政策と量的・質的金融緩和]

[さまざまな金融商品の活用]





7.戦後の日本経済の動き
[戦後の復興]

[高度経済成長]

[安定成長からバブル経済へ]

[バブル経済の崩壊後の不況]

[これからの日本経済]

[]


8.産業構造の変化
[技術革新の進展と経済発展]

[産業構造の高度化]

[第3次産業の現状と課題]

[大企業と中小企業]

[期待される中小企業]

[農業の現状と課題]

[林業・水産業の現状と課題]

[File14 食の確保と食の信頼]

[]


9.雇用と労働問題
[労働基本法と労働三法]

[雇用情勢の変化]

[雇用慣行の変化]

[労働条件の改善と今後の課題]

[ワーク・ライフ・バランスの実現をめざして]

[File15 今日の労働問題]


10.公害の防止と環境保全
[経済発展と公害問題]

[公害責任と環境権]

[公害防止と環境保全]

[]

[]


11.社会保障と国民福祉
[消費者主権と消費者の自覚]

[消費者運動]

[契約とは?]

[消費者保護政策と消費者の自立]

[]

[]


12.社会保障と国民福祉
[社会保障のあゆみ]

[日本の社会保障]

[日本の年金制度]

[社会保障制度の課題]

[File 16 人口減少社会の到来]



第6章 国際経済の動向と日本の役割
1.国際経済のしくみと貿易の拡大
[国際分業と貿易]
 リカード 比較優位 比較生産費税
 得意な産業に特化して、国際分業を行なう  垂直的分業、水平的分業
 自由貿易
 リスト 関税 保護貿易政策
[国際貿易体制の展開]
 GATT(関税および貿易に関する一般協定)
  1.輸入制限をなくし、自由貿易を堅持
  2.最恵国待遇→関税の引き下げ 無差別
  3.多国間交渉 多角主義
 知的財産権(知的所有権)のルールづくり(ウルグアイ・ラウンドで協議)
 WTO(世界貿易機関)→紛争解決 セーフガード(輸入制限措置)の発動要件の明確化
 非関税障壁
 アンチダンピング
 国際収支= 経常収支/金融収支/資本移転等収支
 経常収支=貿易・サービス収支/第一次所得収支/第二次所得収支
 金融収支=直接投資/証券投資
[国際収支の動向]
 貿易収支
 証券投資
 直接投資

[国際通貨制度の変容]
 国際通貨基金(IMF)
 国際復興開発銀行(IBRD、世界銀行)設置
 ブレトンウッズ体制(IMF?GATT体制)
 固定相場制
 ニクソン・ショック
 スミソニアン協定
 変動相場制
 キングストン合意

[外国為替相場の動き]
 外国為替相場(為替レート)
 変動相場制は、需要と供給の関係
 円高
 プラザ合意
 産業の空洞化
 量的・質的金融緩和政策→円高調整
 
[IMFの金融支出]
 アジア通貨危機(1997年)
 世界金融危機(2008 年)


2.進む経済統合
▽なぜ、地域的経済統合が進んでいるのだろうか
▽EUでは、とこまで経済統合が進んでいるのだろうか
▽アメリカやアジアには、どのような地域的経済統合があるのだろうか

[地域的経済統合]
 リカードの比較生産費説・・・自由貿易によって相互に利益を享受できる
 現在、相互に共通の利害関係をもつ国々の間で、自由貿易圏や地域的経済統合を形成する
  (貿易の自由化は、各国の国内市場に大きな影響を与えるためすぐに世界規模にはならない)
 経済統合の5段階
   FTA(EPA含む)→関税同盟→共同市場→経済同盟→完全な経済統合
 
[FTAとEPA]
 FTA(自由貿易協定 Free Trade Agreement)
   経済的な結びつきの強い諸国間で締結されるため交渉が比較的容易
 (WPOは、加盟国の全会一致が前提なので、貿易自由化交渉が進みにくい)
 EPA(経済連携協定Economic Partnership Agreement)
   外国人労働者の受入、資本移動を自由にする投資規定の整備、政府調達、二国間協力など含む
   、
[FTA・EPAの効果と課題]
 貿易創出(貿易が拡大する)効果
 貿易転換効果…輸入先は、関税が撤廃された域内国へ転換される効果
 域内国からの投資が増加する効果もある
 経済のブロック化につながるという懸念もある

[EUの動き]
 1950年代 ECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)・・・国境を越えた共同市場形成
 1958年 EURATOM(欧州原子力共同体)と、EEC(欧州経済共同体)発足
 1967年 EC(欧州共同体)発足 → 1968年関税同盟の完成
 1992年 貿易・資本・労働力などの移動を自由化し、市場統合を完成
 1993年 EU(欧州連合)→欧州連合条約(マーストリヒト条約)発効
 1999年 ユーロ導入し、経済通貨同盟の完成
 リスボン条約…これをEUの憲法として政治統合も進めている
 2009年 ギリシャ財政危機→ユーロ導入国全体への危機へ
  金融政策は、ECB(欧州中央銀行)によって統一
  財政政策は統一されていないという問題
  ESM(欧州安定メカニズム)を導入
 

[南北アメリカ、アジアの地域的経済統合]
 NAFTA…アメリカ、カナダ、メキシコで構成
 MERCOSUR(南米共同市場)…関税同盟
 ASEAN(1967年 東南アジア諸国連合 結成)
 AFTA(ASEAN自由貿易地域)や、ASEAN+3 なども進んでいる
 APEC(アジア太平洋経済協力)
 TPP…原則的にすべての分野における関税の撤廃、投資、知的財産権などに関するルールづくり


3.国際経済の動向
▽日本の貿易は、どのような特徴をもっているのだろうか
▽アメリカやアジアなどの経済の現状は、どうなっているのだろうか
▽グローバル化によって、何がもたらされるのだろうか

[日本の貿易]
 経済摩擦…日本の輸出が多いことで貿易の不均衡が原因となり、経済の不均衡がおきた
  1988年 通商法スーパー301条(不公正の是正のため、関税引き上げなどの制定)
  日米構造協議や日米包括経済協議により両国の経済摩擦問題を協議してきた
 加工貿易…原材料を輸入し、重化学工業製品を輸出
 →海外に生産拠点を移転
 アジアNIES(新興工業経済地域)の工業化で、これらの地域から製品輸入が増加
 
[アメリカ経済の動向]
 双子の赤字…財政赤字と経済収支赤字
 1990年代後半から、ICT(情報通信技術)による経済成長→一時的に財政赤字は解消
 2001年 アメリカ同時多発テロ…軍事費の増大→再び財政赤字
  ICT産業による経済成長のかげり→アメリカ経済の景気後退
 2007年 サブプライム・ローン問題 → 金融機関の経営破綻
 2008年 リーマン・ショック → 金融機関などへ公的資金の注入→財政赤字が一層増加
  → 世界同時不況

[中国経済の発展]
 1978年から、改革開放政策の下、経済特区や株式制度の導入→社会主義市場経済
 2001年 WTO加盟
 2005年 人民元の切り上げ → 2010年名目GDP世界第二位
  → 経済発展や所得格差、環境問題、賃金上昇 → 「中所得国の罠」

[発展する世界経済]
 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア共和国)
 BRICS諸国の経済成長は、先進国の量的金融緩和政策による資金流入により支えられた
  政策終了で、BRICSは経済成長の減速と、インフレ
 アジア通貨危機
 G20…これら新興諸国を含む主要20か国・地域は、世界経済に大きな影響力をもつ

[グローバル化する経済]
 グローバル化…貿易、資本取引における規制や障壁が取り除かれ
        ヒト・モノ・カネが国境をこえて地球規模で自由に移動する
   → 安くて良質な商品ほどよく売れるという市場原理を国際経済に浸透させ国際分業が進む
 国際資本移動…高い収益を求めて世界中をかけめぐる
 

4.発展途上国の経済と南北問題
▽なぜ、南北問題がおきたのだろうか
▽人口爆発に、どのように対応したらよいのだろうか
▽食料問題の現状は、どのようになっているのだろうか

[南北問題]
 南北問題…先進国と発展途上国との経済格差、およびそれにともなう諸問題
 モノカルチャー経済…付加価値が低く価格変動が大きい農産物や鉱産物などの一次産品に依存する経済
  →天候や価格変動の影響を受けやすく、不安定な経済状態となりやすい
 ↓
 1961年OECD(経済協力開発機構)…DAC(開発援助委員会)をとおして発展途上国に対する経済協力を推進
 1964年UNCTAD(国連貿易開発会議)…プレビッシュ報告(援助から貿易へ)
 1974年 NIEO(新国際経済秩序)樹立宣言…発展途上国の利益を重視した天然資源の恒久主権を盛り込む
 2015年 ミレニアム開発目標の後継として、持続可能な開発目標が国連で採択 →2030年までの国際目標

[発展途上国の現状と課題]
 OPEC(石油輸出国機構)…石油などの資源を持つ国
 NIES(新興工業経済地域)…比較的工業化の進んだ国
 後発発展途上国(Least Developed Coutries)との間で経済格差が拡大する南南問題が新たに生じた
 南南協力…南南問題解決のための新たな国際協力
 マイクロクレジット…貧困層の人々の個人事業に対して少額の融資をし、収益で貧困を脱する
   例 バングラデシュのグラミン銀行
 フェアトレード…発展途上国で生産される原材料や製品を公正な対価で購入し生活改善や自立をめざす取引
 累積債務問題…アメリカの金利上昇で借入資金の返済が滞ることで、
   デフォルト(債務不履行)や、リスケジューリング(債務繰り延べ)

 重債務貧困国(HIPC: Heavily Indebted Poor Countries)…アフリカ諸国などに対し、重い債務の削減をするためのIMFの認定

[発展途上国の人口問題]
 2050年 96億人と予測 → 人工爆発(発展途上国だけで、人口82億人になると予測)
  発展途上国の人口増加→貧困、失業、飢餓、教育の遅れ、環境破壊などの問題
 ↓ 
 人間開発指数(HDI: Human Development Index)… 国民所得、人的能力、平均余命、教育識字や就学、GDPを加味して算出
 国連人口基金(UNFPA:United Nations Population Found) …発展途上国の家族計画プログラムで、人口爆発の抑制
 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖における健康・権利)…人口抑制の方策のため、女性の地位向上を考慮

 中国の一人っ子政策は、将来の少子高齢化が予想されている
 
[発展途上国の食料問題]
 食料不足の原因
 第一:発展途上国の人口爆発
 第二:農村から都市への移動→農産物の生産者比率の減少
 第三:資金不足で、灌漑施設の整備や農業技術の向上が進まない
 異常気象などで、農産物の生産が激減
 ↓
 発展途上国の食料自給率は高まらない
 ↓
  FAO(1945年国連食糧農業機関設立)…1966年世界食料サミットを展開
    2015年までに栄養不足人口を半減させるという目標をたて、食料サミット開催を継続
    ( 1991年=約10億人→2015年目標約5億人 2015年報告=約8億 マイナス2億人)


5.国際協調と日本の役割
▽なぜ、国際協力が必要なのだろうか
▽国際協力のあり方は、どうあるべきだろうか
▽国際経済のなかで、日本はどのような役割を果たすべきだろうか

[広がる国際協調]
 主要国首脳会議(サミット)…先進諸国の政策協調の場。OECD(経済協力開発機構)も
  (サミットは、2003年からロシアも参加し、G8と呼ばれた )
  ( 社会主義の国のロシアが加わり、先進国というより、主要国という呼び方になった )
  ( 中国は、BRICSに含まれているので、G20での参加 )
 金融サミット…2008年の世界金融危機・世界同時不況問題以降、G20の首脳を含めて開催

[国際協力と日本の役割]
 食料・資源・エネルギーなどの面で発展途上国との結びつき
 ODA(政府開発援助)…政府が発展途上国に資金や技術提供→経済・社会の発展、福祉の向上
  二国間援助…発展途上国への直接援助
  多国間援助…国際機関を通じて援助する
    (無償資金協力、人材育成の技術協力の贈与、有償資金協力(政府間貸し付け、円借款) )
 日本のODAは、JICAが実施期間
 開発協力大綱(2015年決定) → 日本の安全と繁栄(日本の国益)にも寄与する援助
 NGOによる援助も期待されている
 

第7章 現代に生きる倫理
1.豊かな人生を求めて
[哲学の誕生]
 神話
 自然哲学者
 理性(ロゴス)
 (万物を生みだす根源)アルケー、タレス ロラクレイトス ピタゴラス 哲学
 ポリス 徳(アレテー)を教えるソフィスト プロタゴラス
 

[無知の知]
 ソクラテス 問答 無知の知

[よく生きること]
 ソクラテス 魂への配慮 
 知を愛し求めること(フィロソフィア・哲学)にあり(知徳合一)を大切にすると福徳一致(幸福につながる)
 よく生きることが大切

[イデアを求めて]
 プラトン 現実界 イデア界
 イデアとは
 イデア界へのあこがれはエロースとよばれ、プラトンの理想主義を特徴づける
 善のイデア
 

[イデア論批判]
 アリストテレス
 現実主義
 資料(ヒュレー)
 形相(エイドス)
 知性的徳と、倫理的徳
 知恵によって真理を観想(テオーリア)する
 中庸
 正義
 全体的正義
 部分的正義
 配分的正義
 調整的正義
 
[哲学と科学]
  科学=事実の解明 だが、核兵器の開発のように良いものばかりではない(哲学)の必要性

[宗教とは何か]
 宗教対立はある。非力な人間の心の安らぎなどを与える価値があり、必要なもの。
[三大世界宗教]
 民族宗教 ユダヤ教、ヒンドゥー教、道教・神道
 世界宗教 キリスト教・イスラーム・仏教 = 三大世界宗教
[キリスト教]
 ユダヤ教を母体、イエス(神の愛アガペー)神への愛、隣人愛→福音
[キリスト教の発展]
 パウロ 原罪 贖罪 信仰義認説 アウグスティヌス(教父)→カトリック教会
  → ローマ(カトリック教会)→トマス=アクィナス(スコラ哲学)
        宗教改革(ルター、カルバン) → プロテスタント
  → ギリシャ正教会(東方正教会)
  
[イスラーム(イスラム教)]
 ムハンマド(最後の預言者) 一神教 アッラー ヒジュラ・聖遷 ウンマ
 ムスリム(信徒) クルアーンQuran シャリーア(イスラム法)=六信・五行
 シーア派(ムハンマドの家系を重視) スンナ派(カリフを指導者とする)

[仏教]
 輪廻転生 ゴータマ=ブッダ(ゴータマ=シッダッタ)=真理(ダルマ・法)の前に平等
 四諦(苦諦、煩悩に起因する集諦、涅槃が得られる滅諦、八正道という修行方法の道諦)
 八正道:正見・正思・正語・正業・正命・正精進、正念・正定
 縁起の法 諸行無常 諸法無我 慈悲の心 ブッダ=真理を悟った者
 上座仏教(阿羅漢:最高修行者)と大乗仏教(菩薩:人々を救済)に分かれ、一切衆生悉有仏性

[中国の思想]
 諸子百家(儒教:孔子:論語:仁や礼など重視 孝、悌、忠、恕→徳治主義)
 孟子は性善説(四端の心 四徳(仁・義・礼・智) 王道政治←→覇道政治 易姓革命)
 荀子は性悪説(礼=社会的ルール)
 無為自然=老子や荘子(老荘思想)→道教


2.日本の伝統的なものの考え方
[日本人の伝統意識]
 八百万の神 アニミズム 多神教 重層的文化を形成
 罪・穢れ(社会秩序を乱し、禍をもたらし生活を脅かす)→祓い(祓え)禊 清明心→正直、誠、潔さ
[仏教の受容]
 聖徳太子(厩戸王)憲法十七条 和の精神 「世間虚仮、唯仏是真」
 鎮護国家の宗教 神仏習合 本地垂迹説 
 最澄(天台宗:一切衆生悉有仏性:法華経=一乗思想)、空海(真言宗:大日如来と一体化=即身成仏)
 
[鎌倉仏教]
 末法思想 空也や源信(浄土信仰)、法然(浄土宗:専修念仏)
 親鸞(浄土真宗:絶対他力 悪人正機) 栄西(臨済宗:座禅) 道元(曹洞宗:只管打坐→身心脱落)
 日蓮(日蓮宗:法華経の題目「南無妙法蓮華経」)=法華経国家の実現が自己の使命とみなしていた
[儒教の受容]
 林羅山(朱子学 理から性を知る)=上下定分の理 → 幕府の官学
 中江藤樹(陽明学)=孝は宇宙万物の根本原理
 山鹿素行(古学派)=士道 伊藤仁斎(古義学)=仁愛と誠によって支えられている
 荻生徂徠(古文辞学)=先王之道に立ち返ることは、経世済民政治を実現する道だ 

[国学の成立と庶民の思想]
 賀茂真淵(ますらおぶり=高く直き心) 
 本居宣長(古事記に惟神の道、古道がある)=真心重視し漢意を排除すべき。たおやめぶり、もののあはれ
 石田梅岩(商人の社会的責任は倹約と正直)
 安藤昌益(万人直耕=自然世)=法世(差別・搾取が現実の世)
 
[西洋思想の影響]
 佐久間象山「東洋の道徳、西洋の芸術」=和魂洋才
 福沢諭吉(独立自尊の精神)=天賦人権論 
 中江兆民(恩賜的民権=明治政府が与えた人権ではなく、恢(回)復的民権に育てるべき)
 夏目漱石=共同体重視と自我の確立との葛藤を文学作品に描いた
 武士道の無私の精神はキリスト教とつながる
   内村鑑三 無教会主義 二つのJ
   新渡戸稲造 太平洋の橋
[日本独自の思想の形成]
 西田幾多郎=主客未分の純粋経験
 和辻哲郎=間柄的存在 個人主義的な西洋思想を批判
 柳田国男(民俗学=常民によって継承された生活文化=日本文化の本質)


3.近代の西洋思想
[ルネサンスと宗教改革]
 ルネサンス(文芸復興) 人文主義(ヒューマニズム)
 レオナルド=ダ=ヴィンチ(万能人=理想像) 宗教改革 ルター パウロの信仰義認説に立ち返れ
 カルヴァン 予定説 職業召命観 ・・・プロテスタント(抗議する人)
[人間の尊厳]
 ピコ=デラ=ミランドラ『人間の尊厳について』自由意思 人間中心主義の考え方
 パスカル=考える葦
[科学的なものの考え方]
 コペルニクス(地動説) ケプラー(観測資料に基づく惑星の運動法則を発見)
 ガリレイ(運動法則を数量関係で表現) ニュートン(万有引力の法則)『プリンキピア』
 近代の科学革命 
 
[経験論と合理論]
 イギリス経験論の祖=ベーコン「知は力である」学問の目的は自然を支配し、
 その力を人間生活の向上に役立てる四つのイドラ(先入観、偏見)を除 去すること 帰納法が最も有効
 デカルト「大陸合理論の祖」(方法的懐疑:あらゆることを徹底的に疑うこと)
 「疑っている私」だけは疑うことができない「われ思う、ゆえにわれあり」 → 演繹法 物心二元論 本質は広がり
 機械論的自然感
 
[社会契約の思想]
 自然法思想 自然法(自然によって与えられた理性の命令) 社会契約説(ホップス、ロック、ルソー)

[人格の尊厳と自由]
 カント 善意志 実践理性 道徳法則 定言命法 仮言命法 人格 目的の国
[人倫と自由の実現]
 ヘーゲル 理性(精神) 弁証法 社会規範には法と道徳があり、それを統合した段階=人倫


4.現代に生きる人間の倫理
[平等への模索]
 資本主義社会では疎外された労働を強いられる
 マルクス 唯物史観→社会主義社会の建設
 レーニン 帝国主義政策に反対、ロシア革命→ソ連 
 毛沢東 マルクス-レーニン主義の影響を受け、反帝国主義、反封建主義
[主体的な生き方]
 人間疎外(人間を機械の歯車のようにモノとみなす風潮) ←→ 実存主義
 キルケゴール(主体的真理:本来の実存に至る三段階=美的実存、倫理的実存、〜宗教的実存)
 ニーチェ(キリスト教は、強者に対する弱者の怨恨(ルサンチマン)が潜む。「神は死んだ」
  人間が価値を創造して生きることが重要 力への意志 ニヒリズム(虚無主義)を乗り越える超人の思想
[実存としての自己]
 ヤスパース 限界状況(死、苦しみ、争い、罪などのりこえられないもの)→有限性の自覚
 ハイデガー「死への存在」「現存在(ダーザイン)」
 サルトル「実存が本質に先立つ」「人間は自由の刑に処せられている」アンガージュマンのなかで生きる
  
[実用的な哲学を目指して]
 プラグマティズム 実際の行為で確かめる
  プラグマ=ギリシャ語:行為 
 パース:観念は行為をとおして意味を明らかにする
 ジェームズ:真理の有用性=真理の基準は実生活に有用であるところに求められる 有用=真理
 デューイ:道具主義 創造的知性 教育とは問題解決能力を高め、人間を変革し、未来の新しい価値を創造する

[大衆社会の出現と特徴]
 大衆社会の出現 
 マックス=ウェーバー 官僚制(ビューロクラシー)のなかにおかれている → 人間は組織の歯車
 リースマン 『孤独な群衆』 他人指向型 孤独な群衆(孤立しながら群れ集まって生きる現代の人々)
 
[市民社会の批判と理性の役割]
 フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノ 道具的理性 批判(的)理性
 権威主義的パーソナリティ
 フロム
 ハーバーマス 対話的理性 コミュニケーション的合理性

[西洋中心主義への批判]
 レヴィ-ストロース(未開社会の研究) 野生の思考を持ち合わせている 構造主義 文化相対主義
 フーコー 知の考古学

[生命への畏敬と社会参加]
 シュヴァイツァー 倫理の根本には生命への畏敬がある
 ガンディー 不殺生(アヒンサー) 非暴力の抵抗 真理の把握(サティヤーグラハ) 自分の心身の浄化(ブラフマチャリヤー)
 マザー=テレサ 最大の罪は愛と憐みをもたないこと
 
[差別や偏見との闘い]
 多数が少数派(マイノリティー)を圧迫する
 ボーヴォワール 差別意識は社会や文化によってつくり出されたもの
 キング牧師 憎しみには愛をもってこたえなければならない

[人類の福祉]
 ロールズ 新しい正義の原理(自由は平等に配分、機会均等の保障)
 インド出身の経済学者セン 潜在能力(ケイパビリティ)を実現すること
 個人の生き方の選択の幅を広げること=社会福祉の視点

[未来を開く思想]
 直面する問題に答える思想は一部の知識人だけのものではない。
 私たち自身が格闘し解決するところから新たな考え方が形成される


第3編 ともにいきる社会をめざして
CaseStudy1 個人と社会の関係 税と社会


CaseStudy2 社会と社会の関係 東日本大震災後のエネルギー問題をめぐって


CaseStudy3 将来世代と現役世代の関係 人口問題と私達の未来

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