板書例と、解説内容

豊かな人生を求めて プラトン


○古代ギリシャの思想家は、どのような生き方を求めたのだろうか

【イデアを求めて】 教科書P.250
プラトン
「ソクラテスの弁明」… プラトンがソクラテスの裁判のことを書いた対話型の著作
    師であるソクラテスの考えを正しく伝えたかった。

  ソクラテスの問答は、Q&Aの形(〜とは何か → 答えそのもの=イデア)
イデア = 永遠不変の実在… 問掛けに対する答え
イデア論 … プラトン哲学の中心→三角形のイデアで説明
イデア界=天上界 概念の実態はイデア界にある。(= プラトンのイデア論)
   目に見える図(現実界)の三角形は、真理ではない
   生徒が座っている椅子。この椅子とあの椅子は違う。しかし、椅子の本質は持っている。
     椅子の本質はここにはない。 どこにあるの ? → イデア界にある。
描かれる三角形は、どこか不完全
   不完全な三角形を見ても、本当の三角形を知っている
  …なぜか? → 三角形の本質を知っているから
理性によって、完全な三角形の姿(イデア)が捉えられているから

永遠不変の実在… =イデア
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真実在=イデア  …個々のものは、そその不完全な模像や影にすぎない
  多くの人は、感覚でとらえる(目に見える、手で触れる)事物を実在と思うが
  洞窟にうつる自分の影を、唯一の実在と言い張るのと同じ
洞窟の比喩
  暗い洞窟から出て、太陽に照らされた事物の真の姿を見よ
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理性の眼でイデアを見てとること
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「魂の全面的な向け変え」
    魂への配慮=ソクラテス

 Q 人は、イデアをとらえられるか
 → プラトンは、「人間の魂はイデアと同じく永遠不変」だといった

プラトン=理想主義 と、言われている
「イデアの想起」とは

  人間の魂は、もともとイデア界に住んでいた。
  生まれると同時に、肉体という牢獄にとらわれ、感覚の世界にしばられた
   そして、イデアを忘れ去った。
魂とエロース
エロース=憧れ、求めるもの 
  魂は、かつての故郷(イデア界)へのエロースがある。   
エロースが原動力となり、イデアを想起(アナムネーシス)する

善のイデア=イデアのイデア
   魂は、エロースに促され、イデア界へと上昇していく
   そして、全てのイデアの原理(イデアのイデア)を知ろうと努める
↓
善のイデアを知ること=人間の最高の幸福  と、プラトンは考えた

 Q  哲学(魂)と政治(理想国家)との関係 は、?
 人間の魂は、イデアに向う高い部分と
    肉体につながる低い部分がある
理性・・・ 魂がイデアに向う高い部分
欲望・・・ 魂が、肉体とつながる低い部分
気概・・・ 理性と欲望の間で(判断)意志のはたらきをする
  肉体が食べ物を欲する。目の前に他人の食べ物。不正か、正義か、気概の持ち方
魂の三分説  プラトンは魂と三つの徳と関連づけた
@知恵・・・理性の徳=指導、統制
A勇気・・・気概の徳=理性の命じることを実行しようとする
B節制・・・欲望の徳=欲望を適度にとどめること

C正義・・・魂全体の徳=@ABを実現するとき、魂は調和を得る
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四元徳 ・・・魂に関わるもっとも基本的な徳

 プラトンは、ポリス(国家)の三階層(統治、防衛、生産という階層)に対応させた

統治者階級=知恵が必要・・・国家をよく治めるため
防衛者階級=勇気が必要・・・国家をよく守るため
生産者階級=節制が必要・・・勝手な欲望を抑えて国家に尽くすため(教科書P.250上の図では横に描いてある)

  それぞれが、その任務を果たす→ 国家全体が秩序と調和がうまれ
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正義の支配する理想国家が成り立つ
  そのためには、統治者階級が、真の知恵を求める哲学者でなければならない
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「哲学者が国家の支配者となるか、あるいは、支配者が哲学者となる。」
  そうでなければ、国家も、人類も幸福にはならない
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哲人政治の思想 ・・・哲学のあるべき姿と考えた